その6 不正なクレジットカードの利用方法

1 ままある不正利用

クレジットカードは、その名義人に対して、信販会社が無担保の信用を与えた証明書のようなものです。ですから、名義人以外の者が、そのクレジットカードを使用することは、原則として禁じられています。

また、クレジットカードを使用して、買い物をしたりサービスを受けたりする場合には、その時点で、後日、信販会社の決済日に代金を支払うつもりがあって、なおかつ、支払に充てるお金を準備できていることも予定されています。

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ですから、拾ったりしたクレジットカードを利用することはもちろん、知人や友人からクレジットカードを借りてこれを利用したり、後日、決済日にクレジットカードの利用代金を支払うつもりがなく、あるいは、支払いに充てるお金を準備できる見込みもないのにクレジットカードを利用すれば、詐欺罪という犯罪行為を行ったと見なされることがあります。

icon-arrow-circle-right 詐欺罪には、10年以下の懲役刑が科されます。罰金刑を選択することはできません。過去には、次のような事例がありました。

2 他人名義のクレジットカードの利用

Aさんは、友人のBさんから、Cさん名義のクレジットカードを借りて、ガソリン代をこのカードで支払いました。このカードは、名義人であるCさんがBさんに貸していたもので、このカードの利用代金はCさんが支払ってくれることになっていたようです。

Aさんは「このカードの名義がCさんであることは知っていたが、CさんはBさんにカードを貸していたのだから、Bさんがこのカードを又貸しされた自分が利用してもよいはずだ」と主張しましたが、裁判所はこの主張を退け、Aさんを詐欺罪で有罪としました。

3 自己名義のクレジットカードの不正利用

先ほどの例は、他人名義のクレジットカードを利用した場合に詐欺罪に問われた事例でした。それでは、自己名義のカード利用であれば、問題はないのでしょうか。

失業中のDさんは、クレジットカードを利用して、買い物をし、食事をした後、ホテルに宿泊しました。

当時、Dさんの貯金は既になく、その後、カードの利用代金を調達する見込みもなかったので、当然のことながら、決済日にDさんはカード利用代金を支払うことができませんでした。Dさんは詐欺罪で起訴されました。

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実は、第1審では、裁判所は、Dさんを無罪としました。しかし、控訴審では、クレジットカードを提示して買い物をしたり、サービスを受けたりすることは、後日、その利用代金を信販会社に支払う意思を示したものであるとされました。

icon-exclamation-circle そうした意思も能力もないのにクレジットカードを利用するのは詐欺に当たるとして有罪としました。

クレジットカードは、信販会社と利用者との間で、立て替え払いをする約束で発行されるものです。だから、利用者以外の者が利用したり、立て替えられた代金を支払うつもりもないのに利用したりすることは、やはり犯罪にあたると言わざるを得ませんね。

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