その5 クレジットカードのかしこい使い方

1 打出の小槌という錯覚

クレジットカードは、「その2 消費者信用とはどういうものか」で紹介したように、信販会社が、顧客に与えた信用の範囲で、信販会社の加盟店での商品購入代金やサービスの利用料金を保証する「割賦あっせん販売」の仕組みの中で利用されるものです。

icon-hand-o-up ここにいう「信用」とは、「顧客の支払能力」と言い換えてもよく、信販会社は、これを「利用限度額」という枠で制限をかけています。

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icon-arrow-circle-right クレジットカード会員になると、この「利用限度額」の範囲で、いくらでも買い物ができるため、えてしてクレジットカードを「打出の小槌」と勘違いする例も見られます。

しかし、「利用限度額」とは、あくまで信販会社が「顧客の支払能力をその限度で信用しますよ」と言っているにすぎず、実際にそれだけの支払い能力があるか否かは、顧客自身が責任を持たなければならないことは言うまでもありません。

2 クレジットカードの選び方

どのようなクレジットカードを選ぶかは、人それぞれでしょうが、通常は、決済日と特典とを判断の要素に据える場合が多いと思われます。

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icon-arrow-circle-o-right 決済日とは、クレジットカードを使用して商品を購入したりした代金の支払日のことです。定期的な収入のある方であれば、給料日後の間がない時期に決済日を設定するのが無難です。

クレジットカードの主な収益源は、加盟店から得られる手数料ではなく、主としてキャッシングやリボルビング払いの金利です。多くの場合、これらの金利は15%前後に設定されており、利息制限法ギリギリの高金利と言えるでしょう。

ですから、できれば、給料が出たら、決済日に一括で支払った方が、負担は軽くて済むのです。

また、高額の商品は、締め日直前に購入することで、2か月分の給料を決済に充当することができますから、買い物の時期の選択にも配慮するとよいでしょう。

例えば、毎月末が給料日で、毎月10日を決済日とするクレジットカードを利用する場合、締日は毎月15日ごろに設定されます。

従って、16日以後にクレジットカードを利用して買い物をした金額の請求は、2か月後の10日となるため、当月の給料と翌月の給料とを支払いに充てることができ、1回払いであっても、事実上2回の分割払いと同様の効果を得ることができるのです。

icon-arrow-circle-o-right 次に、特典は、カードの利用に応じた割戻金と考えると、理解が容易になります。

通常のクレジットカードは、100円の利用に対して1ポイントが付与されます。このポイントは、現金で戻ってきたり、商品券に代えたりすることもできますから、単純に言えば、1%の割引で商品を購入できると捉えることも可能です。

例えば、通常の場合、100万円の商品を現金で購入するのと比較すると、クレジットカードは商品代金の1%のポイントが付与されますから、実際は99万円で購入するのと同じことになります。

クレジットカードによっては、よりポイントの還元率が高かったり、その他の特典が付加されていたりするので、こうした点もクレジットカードを選ぶ際の参考になるでしょう。

なお、クレジットカードには、年会費が必要な場合もあります。そのうえで、どのような条件を満たせば、年会費が不要となるのかを確認しておくとよいでしょう。

例えば、年間を通じて、一定以上の利用額が必要な場合、できるだけ、そのクレジットカードのみを利用することで、条件を満たすことができます。

しかし、複数のクレジットカードをお持ちの場合、特典につられて年会費要件を満たすことができないと、特典を上回る年会費を負担する場合も出てきます。

また、一部の飲食店や公共料金の支払いにクレジットカードを利用する場合には、現金による場合と比べて手数料が付加されたり、割引率が減額されたりすることもあります。利用の際には、こうした条件の違いも考慮した方がよいかもしれません。

3 メリットとデメリット

メリット

クレジットカードを持つことのメリットと言えば、やはり、多くの現金を持ち歩かずにすむということでしょう。現金と異なり、クレジットカードは、紛失しても、信販会社に連絡して、その使用を止めることで、被害を最小限に食い止めることができます。

また、クレジットカードで旅行代金を支払った場合などは、自動的に旅行傷害保険が付加されることもありますから、特に、海外旅行などの場合に別途旅行傷害保険などに加入する必要もない場合もあります。

これに関連して、海外でクレジットカードで支払うと、その時点の為替レートで支払金額が確定しますから、外貨に両替したり、旅行小切手を購入したりする手数料を支払う必要もなく、不利なレートを適用されることもありません。

デメリット

上記に対して、デメリットとしては、カード情報が流出した場合に、クレジットカードを利用した定期的な支払の手続をすべて変更しなければならないことが挙げられます。

通常、偽造カードが出回ったとしても、クレジットカードにはそのようなカードの利用に対する保険が付加されていますから、カードの名義人が財産上の損害を負担することは、まずありません。

しかし、電気代やガス代など、定期的に支払う料金をクレジットカードを利用して行っている場合、偽造カードが出回ったカードは再発行されることとなりますから、改めて手続をし直さなければならず、手続完了まで、現金による支払いをしなければならないことになります。

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icon-arrow-circle-right また、先ほども触れたように、クレジットカードを「打出の小槌」と勘違いして、利用額が嵩んでしまうという点も問題かもしれません。しかし、この点は、クレジットカードの利用者本人の責任で対応するほかはないでしょう。

結局のところ、クレジットカードを利用するに当たっても、それが現金の支払いを伴うものだとの自覚をもって、利用者本人の懐具合を計算しながら利用するという習慣が大切なのだといえましょう。

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