法律上の行為能力制度~未成年と後見

家族間の契約関係についての締めくくりとして、法律が定める行為能力制度について、簡単に述べたいと思います。
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行為能力制度というのは、取引についての理解が十分にできない人を保護する制度です。極端な例ですが、3歳の子供に、不動産会社が分譲住宅を売りつけるなどという取引はもってのほかですね。

icon-hand-o-up 法律は、こうした行為能力制度のもとで、大きく分けて、未成年(みせいねん)後見制度(こうけんせいど)を準備しています。未成年とは、文字通り20歳に満たない人のことをいいます。

もう一方の後見制度は、法定後見(ほうていこうけん)任意後見(にんいこうけん)に分けられ、法定後見は、更に、後見、保佐(ほさ)、補助(ほじょ)の三つの制度に分けられます。

これらは、以前は、禁治産(きんちさん)準禁治産(じゅんきんちさん)と呼ばれていましたが、2000年の民法改正で、名称と制度が変更になりました。

icon-arrow-circle-o-right そして、それぞれ、後見される人を被後見人(ひこうけんにん)、保佐される人を被保佐人(ひほさにん)、補助される人を被補助人(ひほじょにん)と呼んでいます。これらの人たちが単独でした取引は、保護者が取り消すことができます。

例えば、19歳のCくんが、保護者である父Aさん又は母Bさんの同意を得ずに金融業者Fから10万円を借りて、このうち5万円をゲームセンターで使ってしまった場合を例に説明します。

19歳のCくんは未成年者ですから、単独でお金の借り入れ(これを「消費貸借契約(しょうひたいしゃくけいやく)」といいます)をすることができないのが原則です。

ですから、両親は、この契約を取り消して、残った5万円を金融業者Fに返せば、法律上の義務は果たしたことになるのです。法定後見は、一定の身分関係にある親族などの申立てによって、裁判所が決定します。

後見、保佐、補助の区別は、その人の精神上の障害の程度に応じたものですが、被後見人が、原則としてすべての取引を単独で行うことができないのに対して、被保佐人と被補助人の行った取引は、裁判所が示したものを除き、単独で行うことができるものとされています。

icon-arrow-circle-o-right これに対して、任意後見というのは、自らの判断能力に自信がもてなくなった人のための制度で、自らの意思に基づく任意後見人との契約により、後見が始まります。

自らの意思に基づく契約であるため、任意後見は行為能力制度には含まれないという見解もありますが、ここでは立ち入りません。

家族の誰かが、勝手に家のお金を持ち出したり、いらないものを大量に買い込んだりする行動がしばしば見られる場合、それが精神上の障害によるときは、こうした制度を利用して、家庭を守ることも考慮した方が良い場合もあります。

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