お金を返してもらう(その7)-支払督促とは何か?

1 支払督促とは

お金を返してもらう方法として、もう一つ多用されるのが、支払督促(しはらいとくそく)です。
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例えば、Aさんが、知人で近所に住んでいるBさんに100万円を貸し渡したとします。Bさんは、借入額と返済日を記載した借用書に署名捺印して、Aさんに渡しました。ところが、Bさんは、返済の期限が来ても、お金を返そうとしません。

icon-arrow-circle-right この場合、Aさんは、Bさんを相手取って、民事訴訟により貸金の返済を求めることができます。(貸金の額が60万円以下であれば、少額訴訟でも可能です。)

けれども、訴訟を起こすことは、訴訟費用や心理的負担が大きいという難点があります。少額訴訟が利用できる場合でも、裁判官の面前で自分の主張をしなければならず、また、審理の期日も指定されるため、やはり負担であることには違いありません。

2 支払督促の利用方法

そこで、先ほどの例を見てみましょう。Aさんの手元には、Bさんから渡された借用書があり、しかも、AさんとBさんとは知人で、Bさんの身元もわかっているのです。このような場合に利用できるのが支払督促という方法なのです。

支払督促というのは、お金を払ってほしい相手の住所や名前がわかっている場合に、簡易裁判所の書記官にその理由を申し立てて、督促状を送ってもらう手続です。しかも、印紙代は訴訟の半額で済むというメリットもあります。

督促状を受け取ったBさんは、受け取って2週間以内に裁判所に異議を申し立てなければ、Aさんは、法律上は、Bさんに対する裁判で勝訴判決を得たのと同じことになり、Bさんから貸金を強制的に支払ってもらう手段を講じることができるようになります。民事執行によって、土地や家を差し押さえられることもあり得るのです。

icon-hand-o-up このように、支払督促という制度は、お金の貸し借りの事実が比較的明らかで、裁判をするまでもなく当事者の間でその事実関係に争いがないと思われるような場合に、裁判官ではなく書記官の判断によって、お金を借りている人に任意の支払をさせる契機を与えるものと理解できます。

ただ、通常の督促状と異なるのは、裁判所が後ろ盾となって、「もし支払わなければ、強制執行という手段も辞さないぞ」という威嚇を伴う点です。

icon-exclamation-circle ところが、支払督促の意味を充分に理解していないために、この方法は、様々な場面で深刻な問題を引き起こす契機を孕んでいるのです。この点については、次回「お金を返してもらう(その8)-支払督促の注意点」で解説します。


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