お金を返してもらう(その6)-勝訴判決の効果

1 勝訴判決の意味

お金を返してもらうため、裁判に訴えて勝訴判決を得たとしても、法律上は、それだけではお金を払ってもらえるわけではありません。

というのも、裁判で得られた勝訴判決というのは、勝訴判決を得た当事者の言い分が正しいと述べているにすぎないからです。

icon-arrow-right 例えば、Aさんが、Bさんに貸した100万円を返してほしいと裁判所に訴え出たとします。裁判所は、双方の言い分を聞いて、Aさんの主張が正しいと判断し、Aさんに対する勝訴判決をしました。

この場合の判決の主文には、「被告は、原告に対し、金100万円及びこれに対する平成○年○月○日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え」などと書かれることになります。

つまり、判決では、被告となったBさんの任意の支払いを求めているにすぎないため、BさんがAさんからの借入金を踏み倒そうと思えば、踏み倒せないわけではないのです。

icon-arrow-circle-right もちろん、常識的には、裁判に負けたBさんは、Aさんに借入金を支払うべきなのですが、裁判にまでなるということは、もはやAさんとBさんとの間の信頼関係が失われている場合も少なくありません。

また、Bさんにめぼしい財産が残っていない場合には、勝訴判決を得たとしても、現実に支払ってもらうことは困難です。

2 民事執行とは

もし、Bさんが、判決で命じられたお金を支払ってくれないときは、Aさんは、別に、民事執行(みんじしっこう)という手続を申し立てて、被告の財産を差し押さえることで、貸金の回収を図る必要が出てきます。

民事執行の手続も裁判の一つですが、勝訴判決を得ているときは、これを根拠に執行が認められますが、Bさんが実際に支払ってくれるかどうかは、支払いがあるまでははっきりしません。分割で支払場合には、途中で支払いをやめてしまうこともあるでしょう。

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icon-arrow-circle-right そこで、実務上は、原告は、判決に、仮執行(かりしっこう)の宣言を一文付け加えるよう裁判所に求めることが実務となっています。仮執行というのは、勝訴判決に基づいて、被告の財産の一部を仮に差し押さえて、支払の担保に充てるというものです。

仮執行の宣言があると、これに基づいて直ちにBさんの財産を仮差押(かりさしおさえ)をすることができ、Bさんが支払わなかったら、途端に本当の差押をすることができるので、Bさんから貸金を回収する手段としては、大変効果的なのです。

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