お金を返してもらう(その4)-代理人の選任

1 訴訟代理人としての弁護士

前回、「お金を返してもらう(その3)-訴訟」でも触れましたが、民事訴訟においては、必ずしも弁護士を選任する必要はなく、本人が自ら訴状を裁判所に提出して、自ら法廷に立って、必要な主張をすることもできます。
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しかし、貸し付けたお金が高額であったり、お金を借りている人が借り入れの事実そのものを争っていたりするような場合には、確実に勝訴判決を得るために、弁護士を選任することが多いのではないかと思います。

選任された弁護士は、当事者の代理人として、法廷に立つので、当事者本人が法廷で何らかの訴訟活動を行うことはめったにありません。では、代理人は、弁護士でなければならないのでしょうか?

貸したお金を返してもらう形の訴訟の場合には、法律では、原則として、弁護士でなければ代理人になることができないと定めています。

このような定めが置かれた背景にはいくつかの沿革があるのですが、資格試験に合格した専門家ではなく、法律に関する知識が中途半端な者を代理人に据えることで訴訟活動がうまくいかず敗訴する、というような不利益を避けるためであると言われています。

icon-hand-o-up ですから、例えば、当事者の親類や家族に、大学の法学部で学んで法律に詳しい方がいらっしゃったとしても、そのことだけで、その方を当事者の代理人に立てることはできないのです。ただ、この原則には、一部、例外があります。

2 弁護士代理原則の例外

それは、返してもらうお金の請求額が140万円に満たない訴訟の場合、弁護士ではなく、司法書士であっても代理人に選任できる制度があるのです。

icon-hand-o-up このような司法書士を、「認定司法書士」といい、一般の司法書士の中で、試験に合格して、簡易裁判所での訴訟代理人としての能力が認められた場合に与えられる、一種の資格といって良いかと思います。

請求額が140万円に満たない訴訟というのは、地方裁判所ではなく、簡易裁判所でも取り扱いができるものをいいます。

icon-arrow-circle-right よく、電車に貼られている過払金返還請求の受任をうたう法律事務所の広告に「140万円以上の請求は、弁護士しか取り扱いができません」と記載されているのは、このことを意味しているのです。

なお、この140万円という金額が定められたのは、地方裁判所と簡易裁判所とで取り扱う訴訟の数を調整するための基準であって、金額そのものにはあまり意味がないと言われています。

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