お金を返してもらう(その3)-訴訟

1 訴訟とは何か

裁判所の助けを借りてお金を返してもらう方法として、まず思いつくのは、おそらく、「裁判」ではないでしょうか。
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icon-hand-o-up 裁判というのは、国の機関である裁判所が、ある争いごとについて、法律により判断をすることをいいます。こうした判断を求めて裁判所に訴え出ることを、法律上、「訴訟」と呼んでいます。

訴訟には、大きく分けて、民事訴訟と刑事訴訟があります。訴訟というと、よく刑事ドラマなどで、被告人が法定の真ん中に立っていて、弁護士と検察官とが出てきて論戦を繰り広げるという光景を思い浮かべる方もおられるかもしれません。しかし、これは刑事訴訟の場合です。

2 民事訴訟の進め方

お金を返してもらううために訴え出る訴訟は、民事訴訟です。民事訴訟は、基本的には、お金を貸し借りした当事者同士が、裁判所の法廷で、お互いの主張を繰り広げる形で審理が進められます。

当事者間での争いですので、弁護士を選任する必要もありません。もっとも、難しい法律判断が伴う場合も少なくないので、当事者間で借入金の返済について争いがある場合には、通常は、弁護士を選任して、これを当事者の代理人とすることも少なくありません。

また、当事者の呼び名も、刑事訴訟とは異なります。刑事訴訟の場合は、訴えられている人のことを「被告人」(ひこくにん)といいます。

訴えるのは、必ず国ですから、「原告人」という呼び名は存在せず、被告人は、ひたすら検察官の厳しい追及に耐えなければならない立場に置かれます。

icon-hand-o-up これに対して、民事訴訟の場合は、訴え出た人を「原告」(げんこく)、訴えられた人を「被告」(ひこく)といいます。刑事訴訟のように「被告人」(ひこくにん)とは呼びません。

(その意味では、ニュースで、刑事裁判の被告人を、「○○被告」と表現するのは、正しいとは言えないことになります。)

お金を返してもらうために裁判所に訴え出るときには、その主張と理由とを記載した「訴状」(そじょう)という書面を裁判所に提出する必要があります。

訴状が受理されると、裁判所は、その写しを被告に送って、何か反論することがあれば、それを書面で裁判所に提出するよう求めることになります。

被告が、原告の主張をすべて認めれば、審理は1回で終わり、原告勝訴の判決が下されますが、もし、被告が原告の主張に反論した場合には、双方の提出した証拠によって、どちらの言い分が正しいのかを裁判官が判断することになるのです。

icon-arrow-circle-o-right 証拠には、例えば、借用書とか、原告から被告の銀行口座あてに振り込まれた金額の記載のある通帳とか、場合によっては、証人の証言なども必要となる場合があります。

また、もし、被告が原告の主張に何も反論しなかったり、裁判が行われる日に欠席したりすれば、被告は、原告の主張をすべて認めたことになるので、注意が必要です。

訴状には、返してほしい金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。訴状に貼付する印紙の最低額は1,000円ですが、取り戻したい金額が高くなればなるほど、印紙代も高額になります。

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