お金を返してもらう(その2)-担保の設定

1 保険としての担保

前回説明したように、お金を返してもらうためには、そのための担保を設定しておくと、トラブルの予防に効果的です。

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担保設定の方法は様々です。法律に定めのある担保権には、抵当権、質権、留置権、先取特権の四つの類型がありますが、実務上は、譲渡担保、売渡担保、仮登記担保、所有権留保などの担保権が設定されることがあります。

icon-hand-o-up また、特別法(動産・債権譲渡特例法)で特に認められる担保権もあります。担保権とは、貸したお金を返してもらえないときに、担保を設定した物を、お金を貸し付けた人が処分することで貸金の回収を図る仕組みです。

担保が設定されるのは、家や土地などの不動産、自動車や工業機械などの高額商品のほか、一定の範囲で商品や製品の原材料などです。

これを、お金を借りている人の立場から見ると、お金を返さなければ、家や土地などを失うことにもなりかねないので、返済を滞らせるわけにはいかないという動機となるわけです。

2 担保設定の方法

担保の設定はどのようにおこなうのでしょうか。以下、抵当権の設定と実行について、例を挙げてみることにします。Aさんは、B銀行から3000万円を借り入れました。

このとき、B銀行は、3000万円の貸し付けを担保するため、Aさんに担保の提供を求めたので、Aさんは、B銀行のために、自分名義の時価5000万円の土地に抵当権を設定して、法務局で抵当権の設定登記をしました。

こうすることで、B銀行は、万が一Aさんから貸したお金を返してもらえない場合であっても、抵当権の実効としてこの土地を売却し、その売却代金で貸金を回収することができるわけです。

icon-hand-o-up ただ、抵当権は、一つの物に対していくつも設定することができます。そして、抵当権を設定した順番から、すべての貸金を回収することができるのです。

仮に、Aさんが既にC銀行からも4000万円を借りていて、同じ土地に抵当権を設定していたとすると、Aさんが返済しなければ、C銀行がこの土地の抵当権を実行して4000万円全額の貸金を回収することになります。

そうすると、あとで抵当権の設定を受けたB銀行は、1000万円しか回収できません。そこで、B銀行としては、他の土地や家など、追加の担保の設定を求めることになるわけです。

icon-arrow-circle-right なお、借り入れたお金を返済すれば抵当権は消滅するのですが、登記された抵当権は抹消の手続をしないといつまでも残ったままになります。

実害はありませんが、特に不動産に担保権の登記が残されたまま相続が進むと、後年、登記の抹消の手続をする際に相続関係の書類などを一式そろえる必要があり、ものすごく面倒です。

抵当権の抹消の手続自体にはそれほど高い費用はかかりませんので、借入金を完済したときは、早めに法務局で手続をするのがよいでしょう。

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