お金を返してもらう(その1)-返してもらう方法いろいろ

1 返してもらうための工夫

貸したお金を返してもらうためには、様々な方法を講じておくことが望ましいことは言うまでもありません。例えば、借用書を取り付けておけば、お金を貸した事実の証明となりますし、返済方法を記載しておけば、トラブル回避にはより効果的です。

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また、借入金の担保として、抵当権や譲渡担保などの担保権を設定しておけば、万が一お金を返してもらえないときでも、担保を実行することで、貸金の回収を図ることができます。

こうした予防措置を講じないまま、貸したお金を返してもらえないとき、どうすればよいでしょうか。相手のところに押しかけて、無理やり取り返すようなことをすれば、日本の法律では犯罪になります。

たとえ、貸したものがお金ではなく、例えば、自動車や本などの物であって、その所有者が貸した本人であったとしても、無理やり取り返せば犯罪となるのです。

icon-arrow-circle-right 一方、日本の法律では、お金を借りた人がお金を返さなくても、そのこと自体は犯罪ではありませんから、お金を返してもらうために警察に駆け込んでも、基本的には、警察が借金の取り立てに掛け合ってくれることはありません。

そうではなくて、貸したお金を強制的に返してもらうためには、裁判所の助けを借りる必要があるのです。

2 法律に基づく合法的な回収

裁判所の助けを借りるのにはわけがあります。まず、お金を強制的に返してもらうということは、お金を借りている人の財産に介入することを意味します。

icon-arrow-circle-right これは、どういうことかというと、たとえば、AさんがBさんから10万円を借り入れた場合、Aさんが管理する財産は10万円増えています。しかし、Aさんがもともと持っていた財産と、借り入れた10万円とを区別することはできませんね。

そのうえで、BさんがAさんから強制的に10万円を取り返すためには、その10万円が、Bさんから借りた10万円なのか、Aさんがもともと持ってた10万円なのかを区別することなく、Aさんが管理している財産の中から10万円相当のお金を取り返すことになるわけです。

この意味で、BさんがAさんの財産に介入するお墨付きを与えてくれるのが裁判所なのです。その前提として、お金を返してほしいと訴えるBさんの言い分が本当に正しいのかを判断する必要があります。

お金を貸したと主張しているBさんが、本当にAさんに貸したのか、実は、あげたのではないか。

icon-arrow-circle-right また、Bさんは1か月で返してもらうつもりだったのに、Aさんは1年間の約束だと言っている、更に、貸した金額が10万円なのか100万円なのかなどといった場合に、Bさんの言い分だけでは、本当にその主張が正しいのかどうかが判断できません。

icon-hand-o-up そこで、裁判所は、Aさんの言い分も聞いて、Bさんの主張の当否を判断する必要があるのです。


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