お金を返す(その3)-第三者弁済

1 お金を返しても良い第三者

前回、解説した保証人とは異なるのですが、似たような制度に、「第三者弁済」というものがあります。「第三者弁済」とは、保証人以外の人が代わりにお金を返してくれることをいいます。

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第三者弁済がされると、保証人がお金を返してくれたのと同様、もともとあった借入は返済されたことになりますが、代わりにお金を返してくれた第三者との間で、新たにお金の貸し借りが発生します。

保証人とは別に、「第三者弁済」という制度が設けられている理由は、お金を借りる担保として、家や土地に抵当権を設定しているような場合を考えるとわかりやすいと思います。

2 代わりにお金を返す動機

例えば、AさんがB銀行から1000万円を借りて、Aさん名義の時価2000万円の土地に抵当権を設定したという例で説明します。その後、この土地をCさんが1000万円で買い、そこに家を建てて住むことにしました。

ところが、AさんがB銀行に借金を返さないので、B銀行がこの土地の抵当権を実行しようとしています。この場合、Cさんは、抵当権つきの土地を買っているのですから、抵当権を実行されても、法律上は何の文句も言えない立場にあります。

そうすると、Cさんは、住んでいる家を追われることになるので、Aさんの代わりに、B銀行に1000万円を返すことで、抵当権の設定を解いてもらうことができるのです。

Cさんの立場は、AさんとB銀行との間のお金の貸し借りとは直接の関係がありません。しかし、このような場合であっても、Aさんの持っている土地が競売にかけられてしまうと、Cさんは困ってしまいます。

icon-hand-o-up そこで、Aさんの代わりにAさんの借入金を返済する利益を認めてやろうというのがこの制度なのです。

このように、お金を借りている人が借入金を返さないときに、法律の定める手続きがとられ、これによって法律上の立場が悪くなるCさんのような立場を、Aさんとの間の「法律上の利害関係」といいます。

第三者弁済は、原則としてこのような「法律上の利害関係」が認められなければ、おこなうことができません。これに対して、家族や友人は、その立場にあることによって「法律上の利害関係」があるとは言えません。

icon-arrow-circle-right もちろん、お金を貸した人は、貸したお金が返ってくれば良いので、返してくれるのが誰であろうと別にかまわないという考え方もあります。だから、お金を貸した人と借りた人が、第三者弁済を受け入れるのであれば、こうした弁済も有効となります。

けれども、日常生活において、お金を貸した人が、「借りた人間が自分で責任を持つべきだ」と言って他の人からお金を返してもらうのを嫌がったり、お金を借りた人が「あいつだけには世話になりたくない」とか「あの人にはこれ以上迷惑をかけられない」として、代わりにお金を返してやるという第三者の好意を断わることはありますよね。

icon-hand-o-up こうした場合には、たとえ代わりにお金を返してやろうという第三者が現れたとしても、そのようなお金の返済は認められないのです。

第三者弁済がなされた場合の効果は、保証人の場合と同様です。つまり、先ほどの例で、Cさんが代わりに借入金を返してくれると、AさんとB銀行の関係は消えて、新たに、AさんとCさんとの間でお金の貸し借りがあったことになるのです。

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