お金を借りる(その7)-利息の天引きとみなし利息

1 利息の天引き

前回、「お金を借りる(その6)-元本の計算方法」で紹介したお金の貸し方のうち、AさんがBさんから借り入れたお金をそのままAさんに貸し渡すのではなく、あらかじめ利息を天引きしてお金を貸し渡すことを「利息の天引き」といいます。

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例えば、AさんがBさんから100万円を借り入れたとすると、利息制限法が定める上限利息は、元本の15%にあたる15万円です。そこで、Bさんは100万円から利息分の15万円を天引きして85万円を貸し渡し、1年後に100万円を返してもらうこととしました。

Aさんが約束どおり、1年後に100万円をBさんに返したとすると、Aさんは最終的に115万円をBさんに支払ったことになるため、一見、Aさんは元本と適正な利息を支払ったかのように見えます。

ところが、Aさんが実際に受け取ったお金は85万円です。この場合、85万円を元本とする利息制限法の上限利息は、その18%にあたる15万3千円です。

icon-hand-o-up 従って、本当は、Aさんは、Bさんに85万円と15万3千円の合計100万3千円を支払えばよかったことになり、実際に支払った115万円との差額である14万7千円は過払となるというのが、利息制限法の「利息の天引き」の規定です(利息制限法2条)。

そして、もし、Aさんが115万円全額をBさんに支払っていた場合には、過払い分の14万7千円を返すよう、Bさんに求めることができることになります。

このように、利息制限法では、お金を貸し渡すときに利息の天引きがされた場合であっても、上限利息は実際に貸し渡された金額を基準として計算するものと定めているのです。

2 手数料の取り扱い

また、お金を貸し借りするときに、利息以外の名目でのお金の支払いが求められる場合もあります。これらは、お金を貸し渡す際に、利息とは別に、貸付手数料や礼金といった名目がつけられていることが多く、元本の10%を超える例も少なくありません。

例えば、先ほどの例で登場したAさんが、Bさんから100万円を借りる際に、Bさんが、利息のほかに、貸付手数料などの名目で、元本100万円の10%にあたる10万円の支払いを求めたとします。

もし、Aさんが、Bさんの求めに応じて10万円を支払ったとすると、Aさんは、100万円に対する利息のほかに、この借入に対して10万円を余計に支払ったことになりますね。

icon-hand-o-up 利息制限法3条では、名目の如何を問わず、借り手が、貸し手に対して支払った元本の返済以外のお金を利息に充当するという定めを置いています。

仮に、AさんがBさんから100万円を借り入れ、利息制限法の上限利息15%にあたる15万円を支払う合意ができていたとします。

このとき、BさんがAさんに貸付手数料として10万円の支払いを求め、Aさんがこれに応じて10万円を支払っていたとすると、この10万円は利息に充当され、Aさんはあと5万円を利息として支払えばよいことになるのです。

そして、「利息の天引き」の場合と同様、もしAさんが、Bさんに、元本のほかに、利息と手数料を合わせて25万円を支払ったとすると、AさんはBさんから過払い分の10万円を取り返すことができることになります。

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