お金を借りる(その2)-民事と商事のちがい

1 利息の約定(やくじょう)

すでにご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、お金を貸し借りする契約(消費貸借契約)では、無利息が原則なので、借入金に対する利息の支払いを求めるためには、その約束が必要です。
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けれども、お金の貸し借りが商事の消費貸借である場合には、逆に、お金を貸し借りする人の間で何の取り決めをしなくても、借入金に利息が付されることになります(民事と商事との関係については、前回「お金を借りる(その1)-借入金の性質」で少しだけ触れました)。

商事の利率は、法律で年6%とされています。これを商事法定利率といいます。これに対して、民事の法定利率はこれよりも若干低く、年利5%とされています。

icon-hand-o-up たとえば、Aさんが、Bさんから1000万円を借り入れたとします。

この借入金が、もし、Aさんが、自宅を建てるための資金としてBさんから借り入れをしたのであれば、利息についての取り決めがない限り、AさんはBさんに利息を支払う必要はないし、BさんもAさんに利息の支払いを求めることはできないのが原則です。

icon-arrow-circle-o-right けれども、仮に、Aさんの借り入れが、Aさんの経営する会社の事業資金に充当する目的であったならば、Aさんの借入は商事の消費貸借となり、AさんとBさんとの間で利息について何の取り決めをしなくても、Aさんは、1000万円を完済するまで、借入金に対する利息を支払わなければなりません。

icon-arrow-circle-o-right また、Bさんが金融業者であった場合も、同様にこの借入は商事の消費貸借となり、利息の支払いが必要となります。もちろん、この利率は、お金を貸し借りする人の間で特別に定めても差し支えありません。

利息を付さないという取り決めも有効ですし、借入金の額にもよりますが、法律によって最大で年間20%まで認められる上限利息を超えない限り、法定利率を超える利息の取り決めだって有効なのです。

2 消滅時効

借入金が、商事の消費貸借の場合には、もう一つ、民事の場合と大きく異なる点があります。それは、民事の消費貸借に基づく借入金の返還義務が、原則として、10年で時効により消滅するのに対して、商事の場合には、原則として5年で時効により消滅するのです。

icon-hand-o-up 「原則として」というのは、通常のお金の貸し借りではなく、法律に特に定めのある事柄についての債権の消滅時効が、5年よりも短い期間で完成する場合があるためですが、細部については省略します。

なお、法制審議会民法部会がまとめた、来年提出予定の民法改正原案では、短期消滅時効の制度を廃止して、消滅時効を5年に統一することが予定されています。

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