その1 お金を借りるとはどういうことか

1 いろいろな借入金

みなさんは、「借入金」という言葉から何を連想されるでしょうか?典型的には、銀行や消費者金融などからお金を借りるというスタイルが思い浮かぶかも知れませんね。

「借り入れる」のだから、あとで返さなければならないお金だし、できれば借りずに済ませたいと感じるのはごく自然なことでしょう。けれども、一口に借入金と言っても、様々なものがあります。

icon-arrow-circle-right たとえば、高い買い物をして支払いを待ってもらうような場合や、いくつかの商品を買ってこれを後日届けてもらう際に代金を支払うような場合。

icon-arrow-circle-right 更には、クレジットカードを使って買い物をしたり、商品を買うのにローンを組んだりすることも、広い意味でいうところの「借入金」に含まれるのです。

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現代の社会では、お金を借り入れることなく生活するのはほとんど不可能と言ってもよいくらい、「借入金」は様々な場面で登場します。

icon-hand-o-up これから10回にわたって、借入金をめぐるいろいろな問題を、法律上の視点から取り上げます。みなさんと一緒に、借入金と上手に付き合うコツを学んでいきましょう。

2 お金の借入も「契約」の一つ

銀行からお金を借りたり、親兄弟や友達からお金を借りたりするなど、実際のお金を直接借り入れることを、法律用語では「消費貸借」と呼んでいます。

これに対して、実際のお金を動かすことはないけれども、あとでお金を払ってくれると信用して、後払いや分割払いで商品やサービスを提供してもらうことを「消費者信用」といいます。(消費者信用については、次回取り上げます。)

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icon-arrow-circle-o-right 消費貸借も消費者信用も、お金を借りる人と、お金を貸す人や信用を与える人との間で結ばれる契約に基づいてお金を借り入れることになります。

icon-hand-o-up 法律を知っている方なら、「口約束でも契約は成立する」というようなことをどこかで耳にされたことがあるかも知れません。確かに、契約書面を作らなくても契約は成立するのが原則です。

しかし、もし口約束だけでお金を渡されたとすると、そのお金を本当に借りたのか貰ったのか、また、借りたのならいつ返すのか、利息はどうするのか、返す方法も一括で返すのか分割にするのかといったこまごまとした条件が曖昧になってしまいます。

そして、それが貸した人と借りた人との間でトラブルが起きる原因となります。ですから、お金を借りるときには、借入の条件を記載した契約書面を交わすのが実務上の取り扱いとなっています。

icon-hand-o-up それから、もう一つ、借入金は、お金を実際に渡さなければ契約が成立しないとされています。

ですから、仮に口約束だけで「お金を貸したよ」と言われたとしても、実際にお金を貸し渡されていないのならば、借入の契約は成立していないことになるのです。もちろん、契約が成立していないのですから、返済の義務も発生することはありません。

3 借入の条件

それでは、実際にお金を貸し借りする場合に課しておく条件にはどのようなものがあるのでしょうか。まず、借入金の金額をはっきりさせておく必要がありますね。それから、お金を返す時期も明示しておいた方がよいでしょう。

もっとも、返す時期を明確に取り決めなかったとしても、お金を貸した人は、そのお金を返すよういつでも求めることができますから、この取り決めをしなかったとしても大きな問題になることはあまりありません。

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利息の取り決めも重要です。なぜなら、利息の取り決めがないと、利息の支払いを求めることができないのが原則だからです。利息の取り決めには、計算の方法と利率とを明確にしておきましょう。

計算の方法とは、単利であるか複利とするか(法律上は、単利が原則)、また、利率は、借入金の金額に対して何%とするのか(利率の上限については、第3回に取り上げます)といったことをはっきりさせておくとよいでしょう。

icon-hand-o-up このほか、契約には、返す方法などを盛り込んでおくと、後日のトラブル回避にも役立ちます。

例えば、一括して現金で返すのか、銀行口座に振り込んで返すのか、また振込手数料は誰が負担するのかなど、実際にお金を返す場面も思い描きながら、借入の条件を詰めていくことをお勧めします。

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